観光マーケティング戦略:静かな月に訪れるのは誰か
観光地全体では静かな月でも、ある客層の宿泊は普段より多いことがあります。3年分の宿泊データから、観光コンテンツの計画を「繁忙期」の一言では決められない理由を考えます。
Eurostatの2023–2025年の延べ宿泊数を独自に分析。データ更新日:2026年10月12日、取得日:2026年10月18日。
要旨
観光地の静かな月が、どの客層にとっても静かとは限りません。月の日数を考慮し、月別の延べ宿泊数を、それぞれの客層の年間平均と比較しました。分析条件を満たした欧州230地域のうち、9地域の10通りの「地域・月・客層」で、2023年、2024年、2025年を通じて同じ違いが見られました。全体の1日当たり宿泊数は自身の年間平均を10%以上下回る一方、国内または国外の居住者による1日当たり宿泊数は、その客層自身の年間平均を10%以上上回っていました。[1]
各国の集計方法を確認したうえで、5月のアストゥリアスと11月のクロアチアの2地域を、実務を考える事例として取り上げます。観光事業者やクリエイターにとっての問いは、「今月のコンテンツは誰に向けたものか」です。結果が示すのは過去の宿泊状況であり、キャンペーンの効果ではありません。以下では、収録範囲や比較可能性に注意が必要なものも含め、数値上の条件を満たした10事例すべてを掲載しています。
ホテルのSNS投稿を、宿泊数の総計を示す1枚のグラフから計画するとします。最も忙しい月には充実したストーリーを用意し、静かな月には一般的な来訪の呼びかけや割引を載せる。出発点としては自然ですが、総数の内側では、客層ごとに異なる季節のリズムがあるかもしれません。
スペインのアストゥリアスでは、調べたどの年も5月の宿泊が地域の普段の水準を下回っていました。しかし、スペイン国外に住む人の宿泊は、その客層自身の年間平均を上回っていました。11月のザグレブとパンノニア・クロアチアでは、逆の客層が目立ちます。総宿泊数は自身の年間平均を下回る一方、クロアチア国内に住む人の宿泊は、その客層の年間平均を上回っていました。
この傾向だけで、事業者が使うべき予算は決まりません。ただ、制作依頼を具体的にする助けにはなります。「人の少ない時期にお越しください」と書く前に、その時期にすでに訪れているのは誰か、どんな情報があれば旅がしやすくなるかを考えてみましょう。
同じ月でも、客層ごとに違うリズム

- 観光地のカレンダーは1つ
- 客層ごとに異なるパターン
静かな月の意味は、客層によって違う
グラフでは、規模の異なる観光地を同じ尺度で読めるように指数を使っています。指数100は、その地域・客層の1日当たり宿泊数が年間平均と同じことを示します。80なら平均より20%少なく、120なら20%多いという意味です。基準は客層ごとに異なります。
「国内居住者」は旅行先の国に住む人、「国外居住者」はその国の外に住む人です。国籍、言語、移動距離ではなく、居住地による区分です。ザグレブを訪れる国内居住者は、近隣だけでなくクロアチアのどこからでも来る可能性があります。[2][3]
同じ月・同じ客層で、3年とも一定以上の違いが出る組み合わせを探しました。条件は全体の指数が90以下、客層の指数が110以上です。これは実用的な抽出基準であり、統計的な有意差の検定でも、広告に最適な月の定義でもありません。
観光地全体が静かでも、ある客層は普段より活発
2025年の1日当たり宿泊数を、各客層自身の年間の1日平均と比較。指数100がその客層の平均です。
| 地域・月・客層 | 全客層 | 表示した客層 |
|---|---|---|
| アストゥリアス・5月 · 国外居住の宿泊客 | 81.8 | 116.5 |
| ザグレブ市・11月 · 国内居住の宿泊客 | 85.1 | 131.4 |
| パンノニア・クロアチア・11月 · 国内居住の宿泊客 | 66.9 | 119.2 |
5月のアストゥリアス:国外居住者の宿泊が普段より多い月
2025年5月、アストゥリアスの延べ宿泊数は453,350泊で、このうち121,092泊がスペイン国外に住む人によるものでした。全体の1日当たり宿泊数は地域の年間平均より18.2%少なく、国外居住者の1日当たり宿泊数は、その客層自身の年間平均より16.5%多くなっていました。同じ違いは2023年5月と2024年5月にも抽出基準を満たしました。[1]
国外居住者が占める割合は、5月の宿泊数では26.7%、年間では18.8%でした。国外居住者は依然として少数です。この月に存在感が増していたという結果であり、国内居住者への対応をやめるべきだという意味ではありません。
これは季節の傾向であって、成長を示すものではありません。5月の国外居住者の宿泊数は、2023年の129,009泊から2025年の121,092泊へ減っています。それでも、5月の1日当たり宿泊数は、各年ともその客層の年間の1日平均を上回っていました。宿泊数が増えていると考えなくても、繰り返す客層の傾向は見つけられます。年間の基準は毎年計算し直しており、2023年の水準に固定していません。
ホテルや観光施設、旅行先を紹介するクリエイターなら、5月のコンテンツに添える実用情報を見直すきっかけになります。アクセスの説明は明確でしょうか。営業日、予約の条件、体験できる場所はすぐに分かるでしょうか。美しい画像で興味を引いた後、役立つ詳細が次の疑問に答えます。
居住国の区分だけでは、何語で発信すべきかは決まりません。優先して翻訳する言語を選ぶには、自社に届く質問や、より詳しい居住地の内訳が必要です。また、5月に泊まったことから、調べた時期や予約した時期は分かりません。5月を実証済みのキャンペーン開始時期とせず、詳しく知るべき客層を選ぶ材料にしてください。
11月のクロアチアでは、客層の構成が変わる
ザグレブの2025年11月の宿泊数は190,420泊で、このうち59,166泊がクロアチア国内に住む人によるものでした。全体の1日当たり宿泊数は市の年間平均を14.9%下回り、国内居住者の1日当たり宿泊数は、その客層自身の平均を31.4%上回っていました。国内居住者の割合は11月が31.1%、年間が20.1%でした。[1][3]
指数を具体的に見てみます。ザグレブの国内居住者による59,166泊を11月の30日で割ると、1日当たり約1,972泊です。年間の国内居住者による547,728泊を365日で割ると、1日当たり約1,501泊になります。前者を後者で割って100を掛けると、指数は131.4です。これは宿泊施設の利用泊数であり、毎日1,972人の別々の人が到着したという意味ではありません。
パンノニア・クロアチアでは、客層の割合の変化がさらに大きくなっていました。2025年11月の75,026泊のうち、54,432泊が国内居住者によるものでした。その割合は72.6%で、年間では40.7%です。全体の1日当たり宿泊数は自身の年間平均より33.1%少なく、国内居住者の1日当たり宿泊数は、その客層自身の平均より19.2%多くなっていました。
両地域とも、3年すべての11月で同じ日平均の指数条件を満たしました。ただし、コンテンツへの生かし方まで同じとは限りません。ザグレブでは国内居住者の宿泊数は少数のままでしたが、パンノニア・クロアチアでは、その11月の過半数を占めていました。
事業者はこの違いを手がかりに、11月のコンテンツがどんな質問に答えているかを見直せます。例えば、分かりやすい旅程、短い滞在に体験を組み込む方法、再訪する人向けの実用情報です。これらは試すためのコンテンツ案であり、データによって裏付けられた原因の説明ではありません。
このデータでは、出張、家族訪問、イベントへの参加、交通手段を特定できません。いずれかを理由として当てはめるのは、証拠の範囲を超えます。旅行の理由を決めつけなくても、誰に向けて、どんな質問に答えるかは制作方針に書けます。
客層の傾向から、制作方針を具体的にする
まず、旅行先・月・客層を具体的に組み合わせます。そのうえで、その客層が事業者から知りたい情報を書き出します。「クロアチア国内に住む人に向けた11月のコンテンツ」は、「閑散期の認知向上」より明確な出発点です。ただ、役立つ内容にするには、実際のお客様の疑問につなげる必要があります。
クリエイターとの提携なら、旅程、到着までの案内、何が営業しているかを正確に伝えるガイドを制作内容として決められます。ホテルの自社チャネルなら、季節の投稿から、日付や詳細が一致するページに誘導できているかを確認できます。これらはコンテンツを役立つものにする提案です。本研究では、予約への効果は測っていません。
客層のパターンから、役立つ制作方針へ

誰に届けるかを決める
旅行先、月、居住区分を選び、その傾向が自社の事業にも当てはまるかを確かめます。
実際の疑問に答える
お客様の質問から、旅程、到着方法、季節の詳細のうち何を説明するかを決めます。
コンテンツを試す
変更を記録し、既存の計測環境で関連する結果を評価します。
次の一歩は、評価できる小ささにとどめましょう。コンテンツについて仮説を立て、変更を記録し、既存の計測環境で関連する結果を比較します。地域の傾向があるだけで、カレンダー全体を入れ替えたり予算を増やしたりする必要はありません。個々の宿泊施設、クリエイター、観光施設が接する客層は、地域全体の宿泊客と異なることがあります。
滞在する月と公開する日も分けて考えます。この分析は、季節の制作方針で注目する客層を示せますが、何日前に予約するかは分かりません。その判断には、過去の問い合わせや予約など、適切な自社データが必要です。
数値上の条件を満たす10事例が、3年続いた
抽出条件を満たす組み合わせは、分析可能な230地域のうち9地域で10通り見つかりました。プーリアでは2つの月が条件を満たしました。残る221地域はこの特定の条件に該当しませんでしたが、客層ごとの季節傾向が同じだという証拠ではありません。
上記の3事例は、当該期間に関係するスペインとクロアチアの集計方法を重点的に確認した後も、実例として使えると判断しました。全件の表には、イタリアとギリシャの数値上の該当例も残しています。計算後に取り除いて、結果を見栄えよく整えることはしていません。
同じ違いが3年とも現れた
同じ地域・月・客層で、毎年、全体の指数が90以下、客層の指数が110以上であることが条件です。
| 地域・月・客層 | 全客層 | 表示した客層 |
|---|---|---|
| アストゥリアス・2023年5月 · 国外居住の宿泊客 | 75.9 | 122.9 |
| アストゥリアス・2024年5月 · 国外居住の宿泊客 | 82.2 | 116.3 |
| アストゥリアス・2025年5月 · 国外居住の宿泊客 | 81.8 | 116.5 |
| ザグレブ市・2023年11月 · 国内居住の宿泊客 | 81.9 | 122.9 |
| ザグレブ市・2024年11月 · 国内居住の宿泊客 | 86.4 | 139.6 |
| ザグレブ市・2025年11月 · 国内居住の宿泊客 | 85.1 | 131.4 |
| パンノニア・クロアチア・2023年11月 · 国内居住の宿泊客 | 65.9 | 115.2 |
| パンノニア・クロアチア・2024年11月 · 国内居住の宿泊客 | 70.2 | 124.0 |
| パンノニア・クロアチア・2025年11月 · 国内居住の宿泊客 | 66.9 | 119.2 |
イタリアの3事例は、比較可能性が未確認である点に注意が必要です。5月と10月のプーリア、10月のバジリカータが該当します。ISTATは2025年に公表する観光統計の範囲を拡大しました。このEurostat系列が3年間、同じ範囲の宿泊施設を扱っているかは確認できなかったため、計画の実例には使っていません。[4]
12月のテッサリアと4月のイオニア諸島も、数値上の結果としてのみ扱います。当該期間に関係するギリシャの方法確認を完了できなかったためです。2月のマルタは集団宿泊施設を対象とし、ポーランドの月次系列は宿泊定員10人以上の施設を対象としています。特定の事業に結果を当てはめる際は、こうした対象範囲が重要です。[5][6]
下の表には、条件を満たす全組み合わせを年ごとに、元の宿泊数とともに示しています。指数と実数を一緒に読んでください。自身の年間パターンに比べて活発な客層でも、観光地全体に占める割合は小さいことがあります。
留意点のある結果も含む、全10事例
数値上の該当例を3年分すべて表示。イタリアとギリシャの例は透明性のために残し、実務の事例には使っていません。
事例・年別の全30行を表示
| 地域・月・客層 | 全客層 | 表示した客層 | 対象客層の宿泊数 | 総宿泊数 | この月の割合 | 年間の割合 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| テッサリア・2023年12月 · 国内居住の宿泊客 · ギリシャの現行の方法は確認不十分 | 51.1 | 111.2 | 160,239 | 179,166 | 89.4% | 41.1% |
| テッサリア・2024年12月 · 国内居住の宿泊客 · ギリシャの現行の方法は確認不十分 | 53.2 | 117.4 | 166,919 | 184,184 | 90.6% | 41.1% |
| テッサリア・2025年12月 · 国内居住の宿泊客 · ギリシャの現行の方法は確認不十分 | 49.9 | 113.3 | 171,915 | 188,428 | 91.2% | 40.2% |
| イオニア諸島・2023年4月 · 国内居住の宿泊客 · ギリシャの現行の方法は確認不十分 | 31.9 | 140.5 | 146,586 | 518,558 | 28.3% | 6.4% |
| イオニア諸島・2024年4月 · 国内居住の宿泊客 · ギリシャの現行の方法は確認不十分 | 33.6 | 142.3 | 155,812 | 565,495 | 27.6% | 6.5% |
| イオニア諸島・2025年4月 · 国内居住の宿泊客 · ギリシャの現行の方法は確認不十分 | 32.0 | 136.5 | 147,551 | 535,673 | 27.5% | 6.5% |
| アストゥリアス・2023年5月 · 国外居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 75.9 | 122.9 | 129,009 | 430,301 | 30.0% | 18.5% |
| アストゥリアス・2024年5月 · 国外居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 82.2 | 116.3 | 127,416 | 465,479 | 27.4% | 19.3% |
| アストゥリアス・2025年5月 · 国外居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 81.8 | 116.5 | 121,092 | 453,350 | 26.7% | 18.8% |
| パンノニア・クロアチア・2023年11月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 65.9 | 115.2 | 49,220 | 72,422 | 68.0% | 38.9% |
| パンノニア・クロアチア・2024年11月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 70.2 | 124.0 | 56,451 | 78,347 | 72.1% | 40.8% |
| パンノニア・クロアチア・2025年11月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 66.9 | 119.2 | 54,432 | 75,026 | 72.6% | 40.7% |
| ザグレブ市・2023年11月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 81.9 | 122.9 | 48,470 | 168,726 | 28.7% | 19.1% |
| ザグレブ市・2024年11月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 86.4 | 139.6 | 58,388 | 187,332 | 31.2% | 19.3% |
| ザグレブ市・2025年11月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 85.1 | 131.4 | 59,166 | 190,420 | 31.1% | 20.1% |
| プーリア・2023年5月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 71.3 | 139.6 | 605,556 | 1,018,084 | 59.5% | 30.4% |
| プーリア・2024年5月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 79.7 | 149.4 | 763,394 | 1,208,153 | 63.2% | 33.7% |
| プーリア・2025年5月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 83.4 | 138.8 | 1,017,719 | 1,606,607 | 63.3% | 38.1% |
| プーリア・2023年10月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 60.8 | 122.0 | 529,291 | 869,333 | 60.9% | 30.4% |
| プーリア・2024年10月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 70.9 | 137.5 | 702,208 | 1,075,117 | 65.3% | 33.7% |
| プーリア・2025年10月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 68.5 | 126.9 | 930,378 | 1,320,228 | 70.5% | 38.1% |
| バジリカータ・2023年10月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 59.7 | 133.5 | 48,532 | 128,743 | 37.7% | 16.9% |
| バジリカータ・2024年10月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 62.0 | 140.1 | 53,150 | 131,779 | 40.3% | 17.8% |
| バジリカータ・2025年10月 · 国外居住の宿泊客 · イタリアの対象範囲の比較可能性は未確認 | 64.3 | 146.5 | 74,975 | 154,401 | 48.6% | 21.3% |
| マルタ・2023年2月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 70.6 | 119.4 | 62,779 | 535,980 | 11.7% | 6.9% |
| マルタ・2024年2月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 72.2 | 110.8 | 62,775 | 647,382 | 9.7% | 6.3% |
| マルタ・2025年2月 · 国内居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 81.5 | 141.6 | 77,290 | 779,680 | 9.9% | 5.7% |
| 西ポモージェ・2023年10月 · 国外居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 77.9 | 112.3 | 316,943 | 1,032,996 | 30.7% | 21.3% |
| 西ポモージェ・2024年10月 · 国外居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 84.0 | 124.7 | 365,605 | 1,176,212 | 31.1% | 20.9% |
| 西ポモージェ・2025年10月 · 国外居住の宿泊客 · 各国の対象範囲に関する留意点あり | 78.6 | 125.1 | 368,143 | 1,152,521 | 31.9% | 20.1% |
2月を見ると、日数をそろえる意味が分かる
短い月は、宿泊数を積み上げる日数も少なくなります。マルタの集団宿泊施設データでは、2月の国内居住者の1日当たり宿泊数が、2023年、2024年、2025年に、それぞれの年間平均を19.4%、10.8%、41.6%上回りました。全体の1日当たり宿泊数は毎年、年間平均を下回り、「静かな月」の条件を満たしました。[1][5]
日数調整前の月間宿泊数を年間合計の12分の1と比べると、マルタの2月の国内居住者の結果は、2023年と2024年には10%の基準に届かなくなります。2月は2023年と2025年が28日、2024年が29日でした。この違いがあるため、主分析では1日当たりの宿泊数を使っています。
主分析の10事例のうち9事例は、月間実数での比較でも条件を満たしました。注記フラグのない値だけに限定した場合も、内訳が合計と厳密に一致することを求めた場合も、10事例すべてが残りました。これらは計算の整合性を確かめるもので、各国が対象施設を変更していても、その記録がなければ解決できません。
別の確認でも残った主分析の事例はどれか
元の10事例を再確認します。日平均を使う主分析の条件を、都合のよい定義に置き換えるものではありません。
| 感度確認 | 残った元の事例数 | 該当する地域数 |
|---|---|---|
| 注記フラグのない観測値のみ使用 | 10 | 9 |
| 計算の厳密な一致を要求 | 10 | 9 |
| 日平均ではなく日数調整前の月間合計を使用 | 9 | 8 |
観光カレンダーをどう比較したか
Eurostatの地域別・月別延べ宿泊数データ、TOUR_OCC_NIN2Mの2023–2025年分を使いました。ホテル等、休暇用その他の短期滞在施設、キャンプ場を合わせたデータです。更新日は2026年10月12日、取得日は10月18日です。報告の対象基準、収集方法、範囲は国によって異なります。そのため国を順位づけず、各地域の客層を自身の年間水準と比較しました。[1][2] アストゥリアスについては、スペインの現行の収集方法と、過去の系列をつなぐ情報も確認しました。[8]
観測値を見る前に、EUのNUTS 2024分類に基づく244の領域地域を対象リストとして固定しました。前の分類から境界が変わった9地域を除き、候補は235地域となりました。4地域では必要な値が欠測または秘匿され、1地域には信頼性の低い値がありました。残る230地域は、必要なデータがそろった分析可能なパネルでした。欠測や秘匿の値をゼロとして扱うことはしていません。
どの地域を比較に含めたか
固定リストはEU27の244の領域NUTS 2地域で、このうち230地域で3年分のパネルが分析条件を満たしました。
地域の採用・除外数を表示
| 地域の扱い | 地域数 |
|---|---|
| 分析可能:繰り返す数値上の該当例あり | 9 |
| 分析可能:この条件では繰り返す該当例なし | 221 |
| 除外:境界の変更 | 9 |
| 除外:必要な観測値なし | 4 |
| 除外:低信頼性の注記フラグ | 1 |
地域・居住区分・年ごとに、その月の宿泊数を実際の日数で割りました。年間の1日平均は、12か月分の合計を365日、2024年は366日で割って求めました。指数は、月の1日平均を年間の1日平均で割り、100を掛けたものです。月別・年別の客層シェアは、それぞれの期間の総宿泊数を分母にしています。すべての居住区分で年間の基準が正の値であることを、比較の条件としました。
国内居住者と国外居住者の宿泊数の和が総数と一致するか、月別の合計が別途公表された年次の確認値と一致するかを調べました。事前に定めた許容差は、1泊と、比較する大きい方の値の0.1%のうち大きい方でしたが、分析可能なすべてのパネルで厳密に一致しました。必要な値に、信頼性、定義、系列の断絶、秘匿に関する不適合なフラグがある場合は、その地域の3年分のデータ全体を分析から除外しました。採用したパネルには注記フラグがありませんでしたが、それだけで対象範囲が完全とはいえません。
結果は、固定したこのデータ公開版を記述するものです。欧州の全観光事業者を代表する推定ではありません。延べ宿泊数は重複を除いた訪問者数や客室稼働率ではなく、支出、広告収益、予約日も記録されていません。各国の方法確認は紹介した事例を支えますが、すべての国の施設範囲を同一にするものではありません。
ダウンロードには、全結果、除外、感度確認、計算方法を収録しています。数値上の該当例と、この記事の実務的な例に適した事例の区別も残しています。[7]
計画の実例に使わなかったものも含め、数値上の該当例と留意点をすべて残しています。Eurostatデータを基にInfluence IQが計算したものであり、解釈についてEurostatは責任を負いません。
出典・注記
- Eurostat「観光宿泊施設の月別・NUTS 2地域別延べ宿泊数」、TOUR_OCC_NIN2M。対象年2023–2025年、更新日2026年10月12日、取得日2026年10月18日。計算と解釈はInfluence IQによるもので、Eurostatによるものではありません。
- Eurostat「観光宿泊施設の利用状況:方法に関するメタデータ」。施設区分、居住地の定義、各国の報告の違いを説明しています。アストゥリアスを事例に選ぶ前に、スペインの方法と過去の系列接続に関する情報も確認しました。
- クロアチア統計局「商業宿泊施設への観光客到着数と延べ宿泊数、2025年11月」。eVisitorでの収集、居住区分、Eurostatへ送る範囲を説明しています。同局の現行の表は、ここで使うザグレブの2025年11月の数値と一致しています。
- ISTAT「Turismo」、2026年7月17日、注1。2025年の公表対象の拡大を説明しています。この3年間のEurostat系列との正確な対応は確認できていないため、イタリアの3つの数値上の該当例は計画の事例に使っていません。
- マルタ国家統計局「集団宿泊施設、2025年第4四半期」、2026年3月9日。方法の説明には施設の収録範囲、居住地、改定が含まれます。2月の結果は、この施設範囲に関するものです。
- ポーランド統計局、地域データバンク、観光宿泊施設メタデータ、小分類2396。月次KT-1系列は宿泊定員10人以上の施設を対象とし、それより小さい施設は別途収集しています。
- Influence IQ分析パッケージ:固定した地理的範囲、方法の仕様、集計結果、除外、各国の方法に関する留意点、再現可能な計算。
- スペイン国立統計局「ホテル稼働調査」の方法に関するメタデータ。2025年2月12日更新。アストゥリアスの重点確認では、現行のキャンプ場・ホステルの方法と、ホテル・アパートメント・農村宿泊施設の公表された系列接続履歴も確認しました。対象期間内のアストゥリアスでは、比較を妨げる系列の断絶は確認されませんでした。
どの言語版も、同じ2023–2025年の欧州宿泊データを報告しています。翻訳によって、読者の地元市場に関する推定に変わるわけではありません。